二束三文オペラ

胃もたれ起こすほどのそれはきっと、恋

私と岡崎律子さん。

(※今回あまりジャニに関係ないことを書いてしまってます。すみません。)
 
 
 
 

皆さんは「岡崎律子」さんという方をご存知だろうか。いや、多分知らない方のほうが多いと思います。

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私はジャニヲタになる前は漫画やアニメが大好きでした。それこそ某アニメショップに通い、グッズを買いに行ったり、自分でイラストを描いたり、流行りの曲なんて知らないレベルで、カラオケに行くとアニソンやキャラソンしか歌えないので、困ったり。
岡崎律子さんはアニメソングの主題歌を担当されることが多かったシンガーソングライターさんです。優しい歌声(ウィスパーボイスという、囁くような特徴的な歌い方をされる方です。有名どころだとCharaさんみたいな感じ。)に、優しい音楽。担当したアニメと本当にマッチする楽曲をいつも聴かせてくれていた。
私は「フルーツバスケット」というマンガが人生の中で一番大好きで、アニメももちろん見ていた。アニメのOPとEDの岡崎律子さんの曲があったからこそ、あの作品は普遍的な人気を持ったと言っても過言ではない(と思っている)。
 
 
 
 
 
しかし、彼女はもうこの世にはいません。
 
2004年5月5日、彼女はスキルス性胃がんによる敗血症でこの世を去りました。当時、私は中学2年生。毎日のように彼女の歌を聞いて癒されて、涙して、頑張って学校に行ってた。携帯もパソコンを持っていなかった私は、たまたまパソコンを使う授業でコッソリ彼女のサイトを覗きに行って、彼女の死を知った。

 
意味がよく分からなかった。自分でも訳がわからないけど、歌手や芸能人は病気にならない、死なないものだと何故か漠然と思っていた。そんな訳ないんだけどね。
サイトのトップページに出てきた、無機質な訃報のお知らせを私は未だに覚えている。
 


 
私は聴くと必ず号泣してしまう律子さんの曲がある。
「I'm always close to you」という曲だ。
 



この曲はシングルではなくアルバムに収録されている。
彼女が亡くなったあとに発売された遺作アルバムfor RITZというアルバムである。
このアルバムの制作中は既に病と闘っていたようで、本番収録もままならず、仮歌のような形で収録されている曲もあるらしい。(「らしい」と書いたのは、どれがそれに該当するのかわからないほどスタッフさんが頑張ってくれて、どれも素晴らしい仕上がりの曲になっているから。)
 


「RITZ」とは岡崎さんのファンのこと。

岡崎律子さんと、そのファンのために」。

スタッフさんたちが頑張ってくれたおかげで、亡くなった年の12月29日、彼女の誕生日にアルバムは発売された。
 
そのアルバムに収録されている2曲目が「I'm always close to you」。
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「明日などないかもしれないのに どうして 今日を過ごしてしまう」


 
「今がすべてと そう思って生きてみるの」


 
「あせる気持ちがあった どれも選べず 全部をやりたかった」
 

「ごめんねお別れが突然で今はちょっとね寂しいけど かなしみじゃないの いつかちゃんと想い出になる」


 
「約束 お願いはひとつだけ生きて生きて どんな時にも なげてはだめよ それはなによりチャーミングなこと」
 



聴いた瞬間、歌詞を見た瞬間涙が出てきて止まらなかった。彼女が亡くなってすぐの時も泣いたけど、こんなに泣いた事はないんじゃないかというくらいそりゃもう泣いた。


そこでやっと、どうしてこの人はもう居ないんだろう、という現実のようなものを決定的に目の前に突きつけられた気がした。
 
 
これは私の勝手な想像なので軽く流してもらって構わないんですが、
 
 
 
もしかしたら彼女は自分がどうなるのかを知っていたのかもしれない。

律子さんはそんな気はなかったかもしれないけど、この歌詞を見てしまうと、そう思わずにはいられない。
さみしくて涙が出てくるのもあるけど、それだけじゃない。


 
「I'm all right(私は大丈夫)」
「I love you(私はあなたを愛してる)」
「I love my life(私は私の人生を愛してる)」
「I'm always close to you(私はいつもそばにいるよ)」


 
これはもしかして一番伝えたかったことではないのだろうか。
CDを聞けばいつだってそばにいてくれる。励ましてくれる。決して大きな声で背中を押すような元気な応援ではないけど、泣いていたら「大丈夫。」って優しく抱きしめてくれる。そんな、温かさ。
 
 
人生で一番何かと戦っていた頃の私にそっと寄り添ってくれていた音楽たち。

落ち着いた曲もある。元気な曲もある。完全に泣かせにきてるだろこれ…という曲もある。
でもどの曲も前向きで、切なくて、かわいくて、人間の嫌な部分なんて感じさせない歌詞で、この人にしか書けないと思う。
 
 
私のオススメは「life is lovely」というアルバム。
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シスタープリンセスRe Pure(大きいお友達向けのアニメですw)」というアニメの主題歌12曲と、前述した「フルーツバスケット」の劇中歌2曲が収録されています。
 


シスタープリンセスの主題歌が12曲とは…?ど、どういうことや…!?
とちょっと「ファッ!?」ってなった方もいると思うんですが、まあ、ざっくり説明すると、12人の妹が1人のお兄ちゃんに恋心を抱くというエロゲのようななんともけしからん話なんですけど、毎週一人ずつエンディング曲が変わるのです…。
だから12人分、12曲あります。そしてその曲がまたとんでもなくキャラクターの心情に合っている。可愛い子どもの恋を歌ってる曲もあれば、(ちょっと年上のキャラとかの曲は)切なく作ってる曲もある。
 
そしてフルーツバスケットの「空色」「セレナーデ」の2曲はこの物語そのものかと思えるくらい心に響く。私は「セレナーデ」という曲が大好きで、10年以上たった今でもいまだに歌詞を覚えている。


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「きみが笑うとそれだけでもう嬉しくて すべてが報われるんだ」


「うつむいてた日は ここから見てたのはぬかるみ でも今は 空を見上げてる」


「いつもいつでも 求めていてくれなくていい どんな日も きみを知ってる」


「心の鍵を開けるのは強い力じゃなく まっすぐに想うきもち」
 

なかなか「どんな日もきみを知ってる」なんて言葉は出てこないよなぁ…。


私もこんな風に思える人間になりたいものです。自分がすごく嫌なやつだからこそ、綺麗な言葉にこんなにも憧れるのかもしれないですね。
 
ちなみに岡崎さんの遺作アルバム「for RITZ」の最後の曲は「For フルーツバスケットという、アニメ「フルーツバスケット」のOPの曲なのですが、これは生前「次のアルバムは「For フルーツバスケット」を最後に持っていきたい」という話をスタッフさんたちとしていたからだそうです。
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「生まれ変わることはできないよ だけど変わってはいけるから」
 

「ここに生きてる意味がわかるよ 生まれおちた歓びを知る」
 
 
この曲がラストに来て本当によかった。なんだろう、すべてを許された気持ちになれる。生まれおちたその場所で、少しずつでも変わっていくしかないんですよね。優しいメロディに対して前向きな力強い歌だと思った。
 
 
 
まだまだ書きたいこともあるし、オススメしたい曲もあるのですが、私が語れば語るほど安っぽくなってしまいそうでとてももったいないので、とりあえず聴いてみてください(最後すごい雑だなw)。「なんか最近心が疲れたな」って方は特に。
 
 
中途半端な文章になってしまいましたが、この辺で終わります。