二束三文オペラ

胃もたれ起こすほどのそれはきっと、恋

レインツリーの国+α

※舞台挨拶のことだけでなく、ストーリーのネタバレも含みますのでご注意ください。





10月15日、情報解禁から約1年。この日をずっと待っていた。‥‥自分でもよくわからない漠然とした不安を抱えながら。


有川浩原作、「レインツリーの国」が実写映画化されることを知った時、私の時は少しだけ止まりました。そこに「玉森裕太」の名前があったから。



まず最初に、同担に刺されるかもしれないと怯えつつ書かせてもらうと、第一に「伸には合わないかなぁ‥‥」という思いがありました。伸は関西弁を話す関西人。ヒロイン・ひとみとのやりとりの中でも時に厳しく、時に胸がキュンキュンして呼吸困難になりそうなほど素敵に、関西弁を駆使する男性。
しかも、本人は「自他ともに認める淡白な性格」と言いつつも(私が恋愛経験値少ないだけで実際の男性はこういうモンなのかもしれないが)、なかなか積極的な男性なのである‥‥。

荒れた高校のヤンキーでもない、人気のミュージシャンでもない、ボクシングの試合もしない、梨園の御曹司でもない、メイサの弟でもない、栗山千明の弟でもない、至って平凡な男性的感覚を標準装備したキャラクター。



そもそも玉森くんが有川作品に出るということを想定しておらず、それも相まって全く自分の中で「伸=玉森裕太」のイメージが定まらなかったんです。


「大丈夫なのかなぁ‥‥」大好きな作品が、大好きな人主演で映画化される。
とても嬉しいはずなのに、嬉しい気持ちだけを抱けない自分が、なんだかファンじゃないような気がしてちょっとへこみました。



しかし、ドキドキしながら蓋を開けてみれば、自分でもよくわからない感情がこみ上げてきたのです。


心配していた関西弁。玉森くんはどれだけ努力したのだろう。冒頭で伸行が喋ったセリフで私は「あ…」と思いました。
感想、まさかの一文字。


あまりにもニセモノの関西弁であればさすがに私も「いやいや!それはちょっと!!w」となるんですが、第一声を聞いても違和感は感じなかったです。(たしかに「関西弁をしゃべる玉森くん」が新鮮ではありましたが、イントネーションにそこまで変な違和感はなかった気がしました。)
関西の方は「関西人以外のニセモノの関西弁に厳しい」と聞くので、もしかしたら「あそこはあんな風に言わないよなぁ」とかツッコミがあるかもしれませんねw



かくいう私も広島が舞台になっているドラマで不自然な広島弁を聞くと「ファーーーーーッwww広島弁鬼盛りクソワロタァァァァ⤴︎ ⤴︎」となります(笑)





舞台挨拶で玉森くんは
(’・_,’)「関西弁はホントに英語みたいに難しかった。」
(’・_,’)「家でごはん食べてる時もずっとイヤホンしてイントネーション聞いてたし、お風呂入りながら声に出して練習してました。」

と言ってました。
ほんとに難しかったんだろうなぁ‥‥。音の微妙な上げ下げで全く方言として意味を成さない「イントネーション」は、東京育ちの玉森くんには未知の世界だったのでは。


西内まりやちゃんが「関西弁がすごく自然だったので、関西の方なのかと思ってました。玉森さんは現場に台本持ってこないんです。セリフ全部入れて現場に来てて…」と監督さんとえらい褒めちぎってくれてたんだけど、その時の玉森くんが少し照れたように、噛み締めるように、思い出すように、懐かしむように「うんうん」って小さく頷いてて。その顔がすごく優しくて泣きそうになりました。
すごく玉森くんのことが好きだと、改めて思いました。

こみ上げてきた「自分でもよくわからない感情」の正体は、「玉森くんすごいね。ありがとう。新しい君を見せてくれてありがとう。」だったんだと、わかりました。




舞台挨拶は数回入らせてもらったんですが、やっぱり全国回る内にだんだんちょっと慣れていったのか(笑)、玉森くんもまりやちゃんも福岡の時にはだいぶキャッキャキャッキャしてましたねw可愛かったですwww



10月の新宿の時は結構キリっとした顔で緊張が伝わってきて、いかにも「封を切る」といった感じでしたが、だんだん自信も一緒についてきたのかな(*´ω`*)

(インタビュー記事とか読んでると玉森くんって自分の演技に納得してなくて、ストイックなんだなぁ…って思うけど、良い演技してるところがいっぱいあったよ)



今日は初日舞台挨拶、明日も二日目舞台挨拶で、スケジュールが忙しすぎて心配な反面(←過保護か)、玉森くんがどんな顔を見せてくれるのかなぁと、楽しみにしています(∩´∀`∩)

初日の玉森くんはどんな感じだったのかな〜。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。❤︎



私は今日バイトがあり、中継いけませんでした(;∀;)みなさんのレポを拝見して楽しみます!!
明日はわたしも大阪に行ってきます。
















以下、ガッツリとネタバレを含みます。映画の内容に沿って感想を書いております。


(そして私の頭がアホなばっかりに、ものすごく話飛んだりします。めっちゃわかりづらいです、すいません。)



公開日は迎えていますが、まだ観ていない方もいらっしゃると思います。どうか自己責任でお願い致します。

















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きっかけは一冊の本。学生時代に読んでいた本の結末を調べて、向坂伸行は「レインツリーの国」という個人ブログにたどり着く。ブログに書かれていた本の感想に対してメールを送ったところ、ブログの管理人ひとみから返信が届く。

最初は互いの感想や考えをメールするだけのやり取りだったが、ついにネットのやりとりだけではなく、「実際に会って話してみたい」と思い始める伸。

…現実では「ネットからの出会いなんて有り得ねーよ!(CVは二階堂 高嗣でお願いします)」という声が聞こえて来そうなところですが、


そういや私、Twitterきっかけで実際に会ってる友達いっぱいいるんだよなァ…(めっちゃブーメラン)。




「自分だったらさすがに顔もしらない男の人とは会わないかなぁ~」とは思うけど、二人が会うまでのメールのやり取りが結構リアルで。自分の楽しい国に遊びに来てくれる面白い同志のような存在があらわれたんだもんなぁ。…これはたしかに会ってみようってなってしまうかもしれない。




伸の「会ってみいひん?」という提案にも最初は躊躇っていたひとみだったが、伸は必死に食らいつく。すごいな(笑)ちょっとは引きなよ(笑)
一応自他ともに認める淡白な男設定なんだけど、もうこの時点で伸はひとみの方しか向いてないんですよね。必死すぎてすごくキュンとする(笑)


そして、なんやかんや会う約束を取り付けるものの、実際に会うと微妙に噛み合わない会話、今までの聡明さはどこへやらで自分の意見を押し通そうとするひとみに、普段とのギャップを感じて戸惑う伸。

デートの帰り際、乗り込んだエレベーターの重量オーバーのベルがなっても自分から降りようともしないひとみを、ついに伸は怒鳴ってしまいます。


「重量オーバー‥‥だったんですね」


ここでひとみが補聴器をつけている難聴者だったことが判明します。

ひとみが謝った時にパラリと落ちた髪から覗く補聴器を見た伸の「…え、」がなんとも言えずリアル。


振り返ってみると納得いく行動ばかりでした。


走り去るひとみに何も言えずに立ち尽くす伸もまた、リアルな反応だったのだと思います。


「ごめん、君を傷つけた。」

「君をちゃんと必要な時に気遣える情報を俺に渡しといて欲しかったです。」


「君は俺の好きな人やから。」


「もう一回、君との糸が繋がりますように。」




心からの伸の謝罪メール。もちろん本当はひとみにもわかっていたと思います。
それでも引け目なく「好きだ」と言われることで、より自分のハンデのことを突きつけられた気持ちになったのではないでしょうか。


「会わなければよかったけど、会えて良かったです。」


同情で、上から目線で優しくするな、というひとみの返事に対して、伸は毅然と返します。

「ちょっと卑怯やで、それ」


「同情で好きとか言わへんで」


「自信持たせるために告白してやろうとか、いくら何でも君がそこまで俺をバカにする権利があるんか?」



「正直読んでる時はむかついたけど、しょうがないやんな。ひとみさん、メールでずっと泣いてるやんか」

「俺、ひとみさんの暴言やったら許せたよ」



お互い腹のうちを見せあって仲直りするためのケンカをしよう、と持ちかけるシーン。やっぱこういうことってなかなか言えないと思うんですよ。
現実でよく耳にする、「仲直りするためのケンカ」って一体なんなんだろ…ってよく考えてたんですが、相手のことよく知らない・わからないから、もっと知りたくて、わかりたくて、「もっと吐き出してよ!」ってことなんですよね。それでも、「吐き出してよ」なんて言われて吐き出せる人なんているのかなぁ…。



「なぁ。糸はもう一回繋がったって思ってええよな?」という言葉を最後に添える伸はほんとにこっちが恥ずかしくなるほど素敵だと思います(褒めてる)。


このあたりから少しだけ原作と異なります。話の順番入れ替えたりしてますね。映画は、かなり原作のやりとりを省いています。結構長文でガッツリと「フガーーーッ!!アンタの言ってたココが腹立ったわい!(※イメージ)」みたいなケンカをするんですけど、映画はだいぶマイルドなケンカになっています。
これは完全に私の予想でしかないんですが、有川浩さんも「この作品についてはあまり触れないでください、と言われています。」Twitterで仰っていました。

「障害」を扱っているこのお話は、そもそも映像化が難しいと言われていた作品。もしかしたらこの辺りを、作り込みたくてもできない何らかの理由があったのかもしれませんね。ただの憶測ですが。(あとは尺と、公開時期が被っている図書館戦争(局が違う)との兼ね合いなのかな…と思ったり_(:3 」∠)_)



リベンジデートの序盤は、もうホントに「アアアアア!!こんな彼氏が欲しい!!」の一択です。めっちゃ優しい(´ω`*)

ちょっとどっかに伸さん落ちてないーーーーーーーー??????




「俺、そういうひとみさんのセンス大好きやわ」





「大好きやわ」入りましたァーーーーーーーー!!!!









\ドカーーーーーーーン/


ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…このセリフをそっくりそのままバットで打ち返したい!!
映画館の床を今すぐ転げ回りたい!!!爽やか!!!!なんという爽やか!!!!!!
('ω')三( ε: )三(.ω.)三( :3 )三('ω')



楽しく観終えた映画館で二塁打ナナコ(本当の名前はミサコさん)が2回目の登場。
実は私、ミサコさんのこと嫌いじゃないです(笑)むしろ伸とミサコさんのシーン結構好きでw

合コン中にミサコが「女優のナナコに似てる」って話で盛り上がるんだけど、伸はぼーっとしながら、「あぁ…ホンマ(棒)。…化粧上手やな。」って適当に返したりします。失礼すぎンゴwwww


恋愛に命をかけてるミサコは例に漏れず伸をロックオンするけど、恋のライバルにありがちな「ヒロインを陥れる」ようなタイプではないんだよね。
むしろすこーしだけ上から、伸行に恋のアドバイスしたりする。引き際をわかってるし、無理な男は無理だと諦めてよりいい男へゴーするしたたかさもバッチリ持ってる(笑)。
伸が、結局最初っから最後までひとみの方しか向いてないって所もまた胸キュンが引き立って良いのかな。(私の胸キュンポイントおかしいのかなww)


ひとみが伸に仕事のことを相談するシーン、すごく良かったです。ひとみも、全部は言わないんですよね。私だったら「マジふざけんなよあのクソ〇マ」とか言っちゃう所なのに、雇ってもらって感謝さえしているというぐう聖…(自分のクズさにへこんだわ今)。

このシーンは伸の人柄があらわれてるし、きっといろいろ調べたんだろうな…って言葉や、顔を見ればわかるような演技をしてて、あー‥‥、こりゃ恋に落ちますわ(確信)。



そしてリベンジデート終盤で、またしても問題発生。めちゃくちゃ良い感じだったのになぁ‥‥(;∀;)


2人で歩いていたところ、後ろからきたDQNカップルにひとみが突き飛ばされる。
謝りもしないカップルの態度に怒る伸。「今お前らが突き飛ばした女の子!!耳に障害持ってんねんぞ!!」
自分たちがどんなことをしたのかわからせたかった伸は大声でひとみの耳のことを言いふらす。
ひとみの「私の耳のこと、言いふらさないで!!」
という一言でやっと我に返る伸。

「ああいう人たちが障害を知ったからって悪かった、なんて思うと思いますか?」



「だから私、ああいう人たちはもう同じ人間だとは思わないんです。」



「あなた達健聴者に哀れな目で見られるだけです」という、自分も含めた逆差別のような言葉についに全てをぶちまける伸。




「いっつも自分のことばっか言いよるよな。気遣い行き届かへん俺を責めるよな。」



俺にも君みたいに傷ついた昔があったかもしれないと、考えたことはあるのか。

伸が自分の父親の話をするシーン。正直、私はこのシーンが一番しんどかったです。状況は違えど、似たような経験をしているので。
大なり小なり、誰だって抱えてるものはあるよね。


ひとみはもう伸の顔を見ることができません。きっと私でもできません。



突き飛ばされて破れたタイツを伸に買いに行ってもらっている間にひとみはメモを残して姿を消していたのでした。
現実だったらこの恋ぜっっっったいここで終わるわ…(;∀;)




そしてミサコさん三度目の登場。

たった一度ちらっと会っただけで喋ってもないひとみの性格を冷静に分析するミサコ△ェ‥‥






その頃ひとみは残業して押し付けられた仕事を終わらせていましたが、男性社員に乱暴されそうになります。


大声で叫んで助けを呼び、大事には至りませんでしたが、この男はとんでもない言葉をひとみに投げつけて連行されていきます。
「喋れるのか!」と。

男はひとみが難聴=喋れないと思っていたのです。原作でも、また図書館シリーズでもこの手の話が出てきますが、正直、私は有川作品を読むまで難聴の方がここまで他人との意思疎通ができないことや、セクハラや暴行等、下賎なことを考える人間がいるだなんて、ここまで窮屈な思いをしていただなんて、思っていませんでした。世間はもっとやさしいものなんだと思っていました。
少し考えればわかることだけど、自分がいかに全く目を向けていなかったかわかりました。
ハンデの事を知っていて、あえて悪いことをするような人間もいるし、知らず知らずの内に傷つける可能性があるのは自分だって同じなのかもしれないと、この本を読んでから思うようになりました。


話を本編に戻します。



大変な目に遭い、ボロボロなひとみは伸から届いていたメールを見て、伸に会いたくなります。

泣きながらたどり着いた伸の勤務先で、伸…と、仲良さそうに会社から出てくるミサコさんを目撃してしまうのです(なんというベタな展開だ…)。


結局その場から走り去るんですが、ひとみがとぼとぼ帰ってきて、家の前で泣きながらお母さんと抱き合うシーンはやはり泣いてしまいますね。
怖かっただろうなとか、お母さんにしてみても本当に心配だったと思うんです。(そして多分この件はお父さんには言っていないのも母親なりの配慮なのでしょうね)

人見家のシーンは、娘に愛を注ぐ両親のイメージが画面を通して感じられます。




ミサコさんにひとみのことを相談する伸。

冗談半分に「あたしに乗り換えない?」と誘って、コロコロ表情を変えるミサコさんがすごくキュートです(*´`*)


「ミサコさんと付き合ったら多分すごく楽しいと思う。でもすぐに俺に飽きると思うわ。ミサコさん、まわりくどい話とかめんどくさい話嫌いやろ?俺、そういうのめっちゃ好きやねん。」

って言った後に「なぁんだ〜。結局そのめんどくさい彼女のこと好きなんじゃない。」って笑って背中押してあげるミサコさんがほんとに良かった。ミサコさん好き。さっきからミサコさんのことしか書いてないよ自分www


あと、「結局好きなんじゃない」って言われたあとの伸の表情、ほんと見て!!マジで見て!!泣きそう。私ここの顔が一番好きかもしれない。下向いてちょっとだけうーん‥‥、って笑ってる。
結局めんどくさいひとみが好きなことなんて、自分の中でもわかりきってるような、肯定の顔。


アァ‥‥もう心がキュンキュンするんじゃぁ‥‥(バタリ)




家でレインツリーの意味を調べる伸。
レインツリー(アメリカネムノキの別名)の花言葉は、「歓喜」「胸のときめき」。


「レインツリーの国は…心ときめく国なんや…」




伸がそのことに気付いた矢先、ひとみのブログ「レインツリーの国」は突然休止状態になる。



「「レインツリーの国」は耳の悪い君が唯一自分の耳のこと負担に思わずに誰にも引け目なく振る舞える国で、そこで生き生きと言葉を綴っていた君は掛け値なく魅力的で、俺はその国を楽しんでた君にこっちを向いてほしくて仕方がなかったんや。」


君が苦痛なら俺が消えます。とメールを送る伸。ここまでは流れが丁寧なんですけど、
途中から突然、
「ひとみさん、髪切ってみぃひん?」
というまさかの文章が出てきて、「あばばば‥‥えっ‥‥あっ‥‥ここで切り出すんだ(笑)」ってなりましたwwwww








そして伸さんのサービスショット(シャツ+半裸)がこのへんで拝めるのでチェキラ☆です(?)






それにしても髪切りに行くのにわざわざ東京から大阪まで行くとは思わなかったよ\(^o^)/





伸の母親役の高畑淳子さんがまた恰幅のいいオカンって感じでいいんですよね。
お兄さん役の山崎樹範さんもほんとのお兄さんみたいww




年内で店を閉めることになった美容院、髪を切る母の姿を見て、「こうして俺は育ててもろうたんやな‥‥」と呟く。
家族がちゃんと四人だった頃のことを思い出す伸。

「全部、覚えてるでぇ‥‥。‥‥なくならへん。」
という母の言葉で、胸につっかえていた物がすこし取れたような。そんな伸の表情に涙が出ました。




ひとみの短い髪に似合う靴と服を買いに行くシーン見て、あぁ‥‥デートしてる‥‥めっちゃ楽しそう‥‥可愛い‥‥可愛い‥‥デートしたい‥‥と心の中で念仏のように唱えました。



ここで1つ、つっこんでもよろしいか???






伸さん、自分の服は超超可愛いのに、ひとみさんに選んであげてる服はえーっと‥‥、どうしてそれにした???(^o^)みたいなのばっかチョイスするんだけど、こ、これは…可愛いのか‥‥?
西内まりやちゃんだから着こなせるけど田舎でよく見る中学生みたいなコーデがちょいちょいあって田舎に住んでる私には「???」でした。いや、私の田舎で(間違った方向に)磨かれたファッションセンスのせいかもしれないです。ハイ。以上です。



駅で伸とわかれて電車に乗り込むひとみ。短く切った髪で他人に全てをさらけ出してる気がして、「何か言われてるのかもしれない」と一瞬不安になるものの、

窓に写った変わった自分の姿を見て、さっと髪をかきあげるんですよね。補聴器を見せつけるかのように。ここ、すごくかっこよかった。ほんとに伸と出会って変わったんだろうね(´;ω;`)



ひとみからの「髪をかきあげてやりました」
という報告メールを読みながら、「ほぉ〜(笑)やりおるなw」と笑いながら口に出す伸がたまらなく好きです。








そんでもう省くけど、ラストはハッピーエンド。

‥‥もうここは観て、己の心でぜひ感じてくれ!!!!たまらん!!!!!!チューがしたい!!ワシもチューがしたい!!!!アーーーーーッチューがしたいなーーーーーーーーーー(ノシ^ω^)ノシ☆バンバン





原作もハッピーエンドではあったんだけど、すこし影があるんですよね。映画は原作とはまた異なるハッピーエンド。




男女って、ただでさえ価値観とか、ものの考え方が違うけど、そこに「難聴」というハンデが加わるとさらに「難聴者」「健聴者」という違いが生まれるわけで。
もしも伸が、「ひたすら聴覚障害のある彼女を献身的に支える彼氏」だったら私はこの本を最後まで読むことはなかっただろうな。
ひとみの苛立ちや、あまりにひどい言い草に伸はきちんと怒るし、優しくもする。頭では理解していても他人がすこし躊躇ってしまうような部分に伸はどんどん踏み込んでいく。だって、好きなんだから。この二人は「難聴者」と「健聴者」だけではない、お互いの想いをぶつけあって「男性」と「女性」として恋をする。


私が原作で「おおっ‥‥!爽やかだけどなんだか切ないな‥‥」となったのは、二人が幸せになりましたとさ!チャンチャン♪みたいな手放しで喜べるような終わり方じゃなかったところなんです。
映画は完全に心が通じあって幸せなラストでした。すごくキュンキュンするし、恋がしたくなる良いラストでした。



原作は、たしかにハッピーエンドなんだけど、「この先どうなるかわからないけれど」というニュアンスを含んだ終わりになっているのです。

少し主題歌の「最後もやっぱり君」の歌詞に似ていますね。


「未来のことはどんな誰も絶対なんてありえない だからこそ努力をしてるんだ 僕のことより君 僕といつでも君 最後もやっぱり君」

1番のサビでは先のことはわからないと歌ってるのに2番のサビで

「人は誰でもさみしいと君を見てれば思う だからこそやっぱり誓うんだ 失敗しても絶対 あきらめないさ絶対 最後も絶対君」って「絶対」って言い切ってるところが素敵だなと思います。


すごく男の人の愛情に溢れた歌詞だなと思いました。これ結婚式で歌われたら泣きすぎて喉痛めるわ私。
素敵な曲をもらえて良かったね(;∀;)




「フェアリーゲーム」の話で盛り上がっていた2人は、フェアリーゲームの登場人物たちの気持ちを代弁するかのごとく、考え方をキャラクター(性格)に反映させていました。

二人がずっと納得のいかなかった結末。伸とのやりとりの中で答えを見つけたというひとみ。


フェアリーゲームの結末は、傍から見てる読者にとっては納得いかなかったものかもしれない。裏切られたような気になるかもしれない。

それでも。

本人たちにとっては、あれは最良の終わり方だったんだと思います。

一体何が「幸せ」って言うんだろう。何をもって「幸せ」って言えるんだろう。

二人でずっと仲良く一緒にいるのも幸せだし、相手の幸せを願って離れて生きていくことだって当事者にはきっと幸せなのかもしれない。





最後になりましたが、この話と出会って、聴覚障害について自分が知らなかったことや、今まで気付けなかったことがまだまだたくさんあるのだろうと思いました。
そして言葉の力は良くも悪くも大きいんですね。人を簡単に傷付けるし、逆に励ましたりもできる。まるで毒と薬のようです。

この映画、すごく誰かと観たくなりますね。
友達と行けば「こんな恋してみたいね」ってなるかもしれません(笑)好きな人と行ったら、きっともっと相手のことが好きになる。家族と観ても家族の暖かさに触れられる。そんな映画でした。




この映画の2人の未来が、どうか幸せでありますようにと、願っています。



追記:そして玉森くん、遅くなりましたが映画初主演ほんとうにおめでとうございます。
素敵なあなたに出会えて良かった。素敵な映画になって良かった。